〔 田川遼三郎先生の叙勲祝賀会が催されました 2003/6/26 〕

今春、旭川高専第5代校長、田川遼三郎先生が勲三等旭日中綬章を受章されました。
先生の叙勲を称えて、6月26日、旭川グランドホテルで祝賀会が開催され、同窓会からも中尾会長をはじめ、11名が出席させていただきました。
ご存知の会員も多いと思いますが、田川先生は学校と同窓会の連携についても多大なご尽力をいただき、現在の学校における同窓会の位置付けについて、その礎を築いていただいたと言って過言でないと思います。
ここに、先生よりのお言葉と先生のご略歴を掲載し、同窓会員の皆さんにご報告します。

6M 浅井 繁




中尾同窓会長よりお祝いの言葉 田川先生ご挨拶 仲島先生・藤田先生・羽染先生



叙勲のお祝いをしていただいて

盛大な祝賀会を開いていただき恐縮しております。会には、中尾同窓会長はじめ、同窓生の方々が、大変お忙しいところ、遠方から多数駆け付けて下さいました。懐かしさと感謝の気持が交錯し、適切な御礼の言葉が見付かりません。本当に、有り難う御座いました。

今回の叙勲では、高知、和歌山、旭川、福井、鳥羽商船の、5つの高専の元校長が受章しました。旧制度の最後の叙勲のようでしたが、全員が勲三等旭日中綬章で、優劣はありませんでした。
私の所為で、学校の印象を落とすようなことがあってはいけないと思っておりましたので、ほっとしております。推薦等のため御尽力いただいたご関係の方々に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

祝賀会の席上、同窓会の活動が近年非常に活発になっていること、そして、学校との関係も益々密になっていることを伺い、大変心強く感じました。
学生の心の拠り所となることが学校の理想であるように、学校と共に、同窓生の心の拠り所となることが同窓会の理想ではないでしょうか。
卒業生それぞれの必ずしも容易でない長い人生の旅路に思いを致すとき、同窓生が一致団結して、勿論、学校の力も借りて、しっかりした同窓会を育てて行くことは、全ての同窓生にとって、この上なく重要なことではないでしょうか。

第2次大戦後、日本は奇跡的な復興を果たしました。しかし、世界経済におけるこれまでの日本の役割は、今や、中国、韓国、台湾、シンガポール等の役割として定着しつつあります。
そして日本には、より創造的な先進的役割が期待されております。
高専制度は、日本の工業立国を支える、世界に誇る日本独自の制度であります。若いときから工学的雰囲気の中に育ち、エンジニアリングセンスを身に付けた高専卒業生が、その真価を発揮できる時がいよいよやって来た様な気がします。
厳しい経済状況の中にあって、多くの同窓生が苦戦を強いられていることと思いますが、己を信じて、是非、頑張って頂きたいと思います。

平成15年7月8日

元旭川高専校長  田川遼三郎


田川先生ご略歴

昭和28年 北海道大学工学部電気工学科卒業
昭和33年 北海道大学大学院後期過程修了
北海道大学工学部講師
昭和37年 工学博士
昭和42年 北海道大学工学部教授
平成 2年 計測自動制御学会フェロー
平成 3年4月 旭川工業高等専門学校校長
北海道大学名誉教授
平成 9年3月 退官
旭川工業高等専門学校名誉教授
平成15年5月 勲三等旭日中綬章受章
現在にいたる。


ご専門は制御工学で、ロバスト・モデル・マッチング、さらにディユアル・モデルマッチングと呼ばれる設計法を確立されました。これらの設計法はccv制御システムの設計、人工衛星の三軸姿勢制御の設計などに利用され、学会のみならず、産業界からも高い評価を受けられております。

永年にわたる専門分野のご研究また大学や高専の運営をとおして教育界および産業界の発展におおいに寄与されるとともに、その真摯で熱心な学究姿勢と温厚で包容力のあるお人柄は多くの学生からも敬愛されているところであります。

旭川高専 機械工学科教授 遠藤 剛